1年前の大晦日と元日は、京都のホテルで2泊した。
例年は自宅でのたりのたりだが、長男は大阪で家族持ち、3男は地元だが家族持ちで総勢10人になるので、食事の用意も大変になる。ホテルでのんびり迎える正月というものも以前から一度やってみたかった。
知り合いの旅行代理店の担当者に、条件をつけて探してもらったのは秋口に入ってからだった。近場の温泉宿で大浴場つき。4部屋のうちに、みんなが集まって団欒のできる畳の部屋を入れること。のんびりといっても退屈しないようイベントが用意されていること。おせちと雑煮は必須。
担当者があちこち当たってくれたが、なかなか条件を満たすものがない。畳の部屋はどこも満室で、正月客の考えることはみな同じらしい。毎年、同じパターンで過ごす常連客が、1年後の予約を抑えて帰るという。
空き室のあるホテルで、大浴場付きを見つけるのも難しく、イベントや雑煮の用意がないところもある。畳と大浴場はあきらめて、なんとか確保したホテルは、通常より高めの特別料金だったが、正月のことでもあり、パーッと行くことにした。
大晦日の午後京都駅に集合し、近くの東寺(教王護国寺)に歩いて行って五重の塔を眺めた後、長男の嫁の実家が京都なのでせっかくだからみんなで挨拶に行き、帰りの足でそば屋に寄って年越しそば。ホテルでニューイヤーのカウントダウンが用意されていたが、それはパス。私はこういうロケット発射みたいな騒ぎ方より、NHKの「ゆく年くる年」で雪深い山寺の鐘突き風景を見ながら新年を迎えるほうがよい。
元旦はホテル内の3店で朝食が取れることになっていたが、「たん熊」という店だけがずらりと順番待ちをしていた。別に予定があるわけでなし、ひまだからそこに並んで入ったら、白味噌仕立ての雑煮のうまかったこと。
10時から餅つき大会。力仕事は眺めるだけで、つき立ての餅はアンコときな粉としょうゆにしてひと通り試食してみる。そのあと抹茶と和菓子、コーヒーやたる酒、ミニコンサートなどのコーナーを回って、遅めの昼食をホテルの向かい側のファミレスで軽めに取る。食事をしながら夜までどうするか話し合ったがまとまらず、映画組や昼寝組に分かれた。私はホテルの隣りに西本願寺があったので、長男の家族と一緒にぶらりぶらりとあてもなく散歩。
夜は中華料理、翌朝は前日の「たん熊」をリピート。そのあとホテルが仕立てた初詣でのバスツアー。2時間で3神社回って、ご利益を欲張るつもりはないが、まあ正月気分。昼前に解散。2キロ太った。
「なんだか落ち着かなかったね。大晦日と元日はやっぱり家でゆっくりくつろぐのがいいよ」というのが次男の感想。私も同感。
今回は1日遅らせて元日から出かけようという案も出たが、みんなの日程が少しずつずれて見送りになった。デパートのおせちをしこたま調達して、呑んだくれることにしよう。
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