研磨機・周辺装置

バレル研磨入門 研磨の種類について

バレル研磨とは

バレル研磨機のバレル槽(研磨容器)に⼯作物、研磨⽯、水、及びコンパウンド(バレル研磨用の洗剤)を所定の割合で充填し、バレル槽を回転させたり振動させたりすることによって工作物を研磨する加工法です。
今⽇において、バレル研磨は⾃動⾞業界や電⼦機器業界をはじめ、多くの業種で導⼊していただいており、たいていの場合、製造⼯程の最終⼯程を担っています。
その⽬的は主に、バリ取り、R付け、光沢仕上げ、平滑仕上げ、スケール取りに用いられます。

バレル研磨の3要素

バレル研磨ではバレル槽が運動することによって、⼯作物と研磨⽯にはその重さや形状の違いにより相対運動差が⽣じ、互いに擦れ合います。この時に⽣じる摩擦によって工作物を研磨します。
したがって、バレル槽を運動させるバレル研磨機と、工作物を削る研磨石、工作物や研磨石を洗浄するコンパウンドは、「バレル研磨の3要素」と呼ばれ、適切に選択することによって様々な目的にかなうことができます。

バレル研磨の3要素

バレル研磨機

モータと動力伝達機構により、バレル槽を回転させたり振動させたりする。

研磨石

主に砥粒を粘土質の結合剤で保持したもので、工作物を削りながら自ら磨耗して研磨目的を果たす。

コンパウンド

家庭用洗剤に含まれる界面活性剤を主成分とする液体や粉体。工作物の表面を洗浄しながら研磨石の目詰まりを防ぐ。

バレル研磨のメリット

  • 加工コストが安価!
  • 一度に大量の加工が可能!
  • 加工後の品質のばらつきが小さい!
  • 複雑形状でも加工が可能!
  • 作業に熟練を要しない!

バレル研磨周辺の研磨法

  • ブラスト研磨
    (ウエットブラスト・サンドブラスト)

    ノズルから圧縮空気と共に投射材(ウェットブラストは水を含んだ投射材で「スラリー」という)を工作物に噴射してバリ取りやスケール取りを行う研磨法。

  • ブラシ研磨

    研磨材入りナイロン線、鋼線、真鍮線などの線材のホイール型、カップ型のブラシを高速で回転させ、所定の切り込み深さで工作物に擦り付ける研磨法。

  • ベルト研磨

    エンドレスベルトのサンドペーパーを工作物に擦り付ける研磨法。

  • センタレスバフ研磨

    高速で回転する円筒型積層バフと工作物を前進させる調整車の間に工作物を挟んで研磨加工を行う。積層バフの弾力を活かし、研磨と同時に微小なR付けを行う研磨法。

  • ショットブラスト

    高速で回転するインペラーの遠心力で細かい金属粒(スチールボールやグリット)を投射して鋳造バリなどの大きなバリを取る研磨法。

  • 電解研磨

    工作物をプラス側に、対向する電極をマイナス側とし、両極間に電解液を流し通電することにより工作物のバリを溶解する研磨法。

  • 磁気バレル(磁気研磨)

    研磨槽内に磁性メディアと工作物を充填し、研磨槽の下、または周りに永久磁石、電磁コイルを配置。永久磁石の場合は槽の下に磁石を固定した円盤を回転させ、その磁場の移動によって磁性メディアが運動し、工作物に接する研磨法。

  • バフ研磨

    ディスク状の不織布や積層木綿の外周面に研磨剤を塗付し、回転させながら工作物に押し当てる研磨法。